Replicator 2XのFirmwareアップデートに関するトラブル

MakerWare 2.2.0とFirmware 7.3.0がリリースされたと聞いて、
さっそくアップデートしようとして大失敗をしたのでトラブルシュートの方法をメモ。

【重要】良い子はFirmwareアップデート中に電源やUSBケーブルを抜かない事。

Firmwareのアップデート中に誤って電源を落としたりすると、当然アップデートに失敗します。

その結果は言うまでもなく…

電源を再投入してもLCDパネルが暗いままです。
奥の方でLEDだけが淋しく光っているのみ。

WP_000130

MakerWare上ではConveyorがReplicator 2Xを認識しているものの、
改めてUpload Filmwareをしようとしてもグレーアウトして選択できず。

で、探せば見つかるだろうと思ったら案の定同様のトラブルに遭遇した人が。

http://support.makerbot.com/entries/22316102-Firmware-update-to-6-2-failed-now-replicator-will-not-boot-

Services→Stop Background ServiceでConveyorを停止。

ReplicatorGを起動し、Machine Type (Driver)とConnection (Serial Port)を設定。
NOT_ATTACHED表示のままですが、Unable to connect to firmware.との表示が。

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続いて、Machine→Upload new FirmwareからFirmwareをアップロードします。

適切なFirmware(今回は2XなのでReplicator2を選択)

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次にFirmwareのバージョンを選択。

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接続に利用するCOMポート(先ほどと同じ)を選択。

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その後Updateボタンをクリックします。
この際、先のURLには5秒以内にReplicatorのリセットボタンを押すように書かれていますが、
2Xにリセットボタンはないため放置で大丈夫だと思われます。
(ダメそうなら電源をオンオフしてみてください。)

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しばらく何も起こらず心配になりますが、1分程度で以下の画面が表示され、完了します。

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これでFirmwareが正常に書き込まれ、問題なく利用できるようになります。

MakerWareを利用するためには、Conveyorを再起動する必要があるので、
MakerWareを起動し、Service→Restart Background Serviceを実行して終わりです。

Replicator 2Xでクラウディアさんを出力してみた

我が家のReplicator 2Xを改めてセットアップしてクラウディアさんを出力してみました。

ちなみに、現在はこんな感じで設置してあります。

 WP_000116
ラックの上に取り付けたネットワークカメラのおかげで、
出先からも出力状況がチェック出来る仕様です。

image 
データはMMD用の.pmdファイルをBlenderで.objに変換したものを使用。
2Xで出せる最大サイズで、出力しました。

claudia

完成。

 WP_000113

Medium設定で3時間12分かかりました。

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  剥く前。

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剥いた後。

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ちゃんと自立しましたが、髪が一部欠けてます…

WP_000120

胸が相変わらず強調されている気がしてなりませんが
きっとプロデューサーさんの思惑ですよね。

WP_000122

写真がうまく撮れてないのですが、指も一本一本ちゃんと出てるのには感動しました。

MakerWareでCommunication errorが出る場合の対処法

MakerWareでMakeから[Export!]ないし[Make It!]しようとした際に、
Communication error uncaught exceptionと表示される件についてです。

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開いているファイルに日本語(2バイト文字)が含まれていると発生する症状のようですので、
一旦MakerWareを閉じて半角英数字のみのファイル名に変更してあげれば直ります。

もし上記の方法で治らない場合があればコメント等で教えてください。

MakerWareのBackgroud Serviceに関するエラー

MakerWareを起動して、MakeItを押そうとすると、
Background Service(Conveyor)の周りでエラーが発生している模様

Restartしてもダメだし、

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サービスを確認すると問題なく動いているらしい

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ServicesのShow Background Service Logから
ログファイルを開いてみると以下のようなエラーが

2013-06-02 20:13:12,075 – ERROR – pid file exists: conveyord.pid
2013-06-02 20:13:12,075 – ERROR – conveyord terminating with exit code 1

検索してみると、本家のMakerBot Operatorsで解決法を発見
https://groups.google.com/forum/?fromgroups#!topic/makerbot/k3q8vNWGUkc

MakerWareのフォルダにあるconveroyd.pidというファイルを消せばいいらしい
C:Program FilesMakerBotMakerWare (32bitの場合)
C:Program Files (x86)MakerBotMakerWare (64bitの場合)

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削除して、Background ServiceをRestartしたら無事に解決しました

あと、関係ないでしょうが、日時+conveyord.logのファイルが
2万個近く生成されていたのでまとめて消しました

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以上

Replicatorシリーズをソフト的にHackする方法

ReplicatorGやらMakerWareを使って、Replicatorを使うのに飽きてきたGeekな皆さんが
そろそろ多数現れてくるころだと思われるので、ReplicatorシリーズをHackするための
基本的な情報をまとめておこうと思います。

ReplicatorG / MakerWareを使った出力の流れ

Replicatorを使いこんでる人には今更すぎるかと思いますが、
出力までの流れを整理すると以下のようになります。

image

PCからUSBで直接出力してる人だと、S3GとかX3Gはあまり馴染みが無いかもしれませんね。

※ファームウェア7.0以降では、アクセラレーション・コマンドが新しくなっているため、
S3GではなくX3Gを利用します。また、本体の設定で、ACCELERATEは有効にしておきます。

Gコード生成をHackする

通常の使い方に飽きてくると、Gコードの生成に手を加えたくなるはずです。

Gコードを生成するスライサーはReplicatorGだとSkinforge、
MakerWareだとMakerBot Slicerを大半の方が利用しているかと思いますが、
他にもKISSlicerSlic3rなどいくつか種類があります。
(他にも色々ありそうですが私は詳しくないので知りません。)
KISSlicer screenshot

また、既存のスライサーのプロファイルをいじるという方法もあります。

これについては「コメを噛め」様の以下の記事などが詳しいです。
Dual head replicator でのサポート出力を考える

ただ、それでも満足できない人もいるはずです。
そういう人は自分でGコードを生成しましょう。

Gコードの仕様については、以下のページなどに詳しく書かれています。

http://nc-program.s-projects.net/g-code.html#g04
http://replicat.org/gcodes

また、このページの一番下に、Replicatorが対応するGコードの一覧も載せておきます。

ゼロからGコードを生成するのは流石にハードルが高いかもしれません。
そんな場合は、ReplicatorGで生成したgcodeを切り貼りしてみる所から始めましょう。

Gcode

()で囲まれた赤字の部分はコメントなので消しても何も変わりません。

設定にもよると思いますが、初めの200行程度が初期動作、
そのあとの(<layer> x.xxx )から(</layer>)のかたまりが1レイヤーに相当します。

適当に数行だけ残してBuildしてみると、何事もなかったかのように動作するはずです。
もちろんヘッドを温めていなければ樹脂は出てきませんが。

さて、ここまで来ればあとは3Dモデルを読み込んでGコードを吐いてくれるコードを書くだけです。

STLのファイルフォーマットについては以下に書かれているので参考にしてください。

http://www.hiramine.com/programming/3dmodelfileformat/stlfileformat.html

自作のGコードをReplicatorGに貼り付けて、Buildを押せばその通り動くはずです。

そのひと手間すら面倒だという方は、S3Gの仕様も公開されているようなので
以下の情報を漁ってみてください。私はそこまでするのは嫌です。

https://github.com/makerbot/s3g/tree/master/doc

ちなみに、X3Gのドキュメントは軽くしか探していませんが、見当たりませんでした。
どなかた所在を知っていたら教えてください。
(多分海外のユーザーグループで同様の話題は出てる気がします。)

というわけで、私が今分かっていることを吐き出しておきました。

あとは誰か時間とスキルのある方に期待します。

参考:Replicatorが解釈できるGコード一覧(ReplicatorG – 0040よりコピペ)

G0: Rapid Positioning
G1: Coordinated Motion
G2: Clockwise Arc
G3: Counter Clockwise Arc
G4: Dwell
G10: Create Coordinate System Offset from the Absolute one
G20: Use Inches as Units
G21: Use Milimeters as Units
G28: Home given axes to maximum
G53: Set absolute coordinate system
G54: Use coordinate system from G10 P0
G55: Use coordinate system from G10 P1
G56: Use coordinate system from G10 P2
G57: Use coordinate system from G10 P3
G58: Use coordinate system from G10 P4
G59: Use coordinate system from G10 P5
G70: Use Inches as Units
G71: Use Milimeters as Units
G90: Absolute Positioning
G91: Relative Positioning
G92: Define current position on axes
G97: Spindle speed rate
G130: Set given axes potentiometer Value
G161: Home given axes to minimum
G162: Home given axes to maximum
M0: Unconditional Halt, not supported on SD?
M1: Optional Halt, not supported on SD?
M2: End program
M3: Spindle On – Clockwise
M4: Spindle On – Counter Clockwise
M5: Spindle Off
M6: Wait for toolhead to come up to reach (or exceed) temperature
M7: Coolant A on (flood coolant)
M8: Coolant B on (mist coolant)
M9: All Coolant Off
M10: Close Clamp
M11: Open Clamp
M13: Spindle CW and Coolant A On
M14: Spindle CCW and Coolant A On
M17: Enable Motor(s)
M18: Disable Motor(s)
M21: Open Collet
M22: Close Collet
M30: Program Rewind
M40: Change Gear Ratio to 0
M41: Change Gear Ratio to 1
M42: Change Gear Ratio to 2
M43: Change Gear Ratio to 3
M44: Change Gear Ratio to 4
M45: Change Gear Ratio to 5
M46: Change Gear Ratio to 6
M50: Read Spindle Speed
M70: Display Message On Machine
M71: Display Message, Wait For User Button Press
M72: Play a Tone or Song
M73: Manual Set Build %
M101: Turn Extruder On, Forward
M102: Turn Extruder On, Reverse
M103: Turn Extruder Off
M104: Set Temperature
M105: Get Temperature
M106: Turn Automated Build Platform (or the Fan, on older models) On
M107: Turn Automated Build Platform (or the Fan, on older models) Off
M108: Set Extruder’s Max Speed (R = RPM, P = PWM)
M109: Set Build Platform Temperature
M110: Set Build Chamber Temperature
M126: Valve Open
M127: Valve Close
M128: Get Position
M131: Store Current Position to EEPROM
M132: Load Current Position from EEPROM
M140: Set Build Platform Temperature
M141: Set Chamber Temperature (Ignored)
M142: Set Chamber Holding Pressure (Ignored)
M200: Reset driver
M300: Set Servo 1 Position
M301: Set Servo 2 Position
M310: Start data capture
M311: Stop data capture
M312: Log a note to the data capture store
M320: Acceleration on for subsequent instructions
M321: Acceleration off for subsequent instructions
T0: Set Current Tool 0
T1: Set Current Tool 1

Replicator 2Xが届いたので早速使ってみた

2013/1月末に注文した2Xが3か月経った昨日ようやく届いたので、
まずは試しで印刷した記録などを。

開封はほぼマニュアル通りなので詳細は省略して写真だけ上げておきます。

https://www.syuheiuda.com/?p=1775

届いたのはダンボール2箱で、1つが本体、もう1つは追加注文したフィラメント6本。
(エンクロージャー・カバーは別送のようです。)

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追加注文したフィラメント各種(水溶性のPVAもあります。)

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大きい方をあけると、まずはマニュアル。

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その下から、本体と電源・ケーブル等が入ったダンボールを取り出します。

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とりあえず出窓に設置。

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輸送中に動かないように固定されている結束バンド等を除去。
(これも3Dプリンタで出力されたパーツです。)

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本体の下に入っていた小さい段ボールの中身。
電源、USBケーブル、フィラメント2種(赤、白のABS)、その他

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ハンドルを取り付けて、電源投入。

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レベリング(水平化)とフィラメントのロード等を行って、初出力。
困ったことにSDカードが入っていなかったので、PCから適当に出しました。
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精度は申し分なさそうですが、微妙に沿っているので調整が必要そうです。(右の写真の左下部分。)

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出力中の動画も一部上げておきます。

それから、2色刷りのコーンも出してみましたが、円弧がきれいに出ていない感じです。ヘッドの感覚が0.5mmくらいずれている気がするので、そのあたりは要調整ですかね。

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まあ、研究室でReplicator Dualを使っていたので、
戸惑うことは特になく、順調なスタートでした。