前回のあらすじ
半年くらいかけて土地を物色したけど、どこも使い物にならなかったよ!的な。
(次回 Part 3. 用地買収編に続く)
安い土地に電源・ネットは引けるのか
安い土地は探せばいくらでもあるけど、電源やらネットどーすんの (フレッツすら引き込めないんじゃね) というご指摘がありましたが、当然事前にチェックはしてます。
例えば、先の 2 つめの土地を例に挙げますが…
- 住所を確認
XX 市 XX 町 XX (X 丁目まで記載がある物件も) - 接道をチェック
(この物件は、南東 4.1 m なので、道路の北西にある)
- Google 先生の衛星画像でそれらしき場所を物色
(4m 幅で、北西に土地がある、すなわち南西から北東に斜めに伸びている道路を探します)
- Google ストリートビューで、現地に行ったつもりで近辺を巡回
(Google 先生、本当にありがとうございます)
といった感じで、30 分かからずに現地が見つかります。 (ストリートビュー未対応地域とか、細い路地裏だと若干苦労しますが、首都圏近郊なら割とどうにかなります)
あとは簡単で、少し見渡して電柱があるかを確認するだけ。(というか、近くに民家があれば、電柱くらいはありますよね。)
フレッツについては、NTT のサイトで住所を入れれば対応エリアかどうかすぐ確認できます。
https://flets.com/app2/cao/prefselect/index/
余談ですが、アパート・マンションの場合には建物名まで一覧に表示されるので、MDF から部屋まで光ファイバーが伸びている物件 (ギガが引ける) か、古くてメタル (B フレッツのみ対応) しか配線されていない物件かが確認できて便利です。新築物件だと情報が載っていないこともありますが、電話するとすでに居住した人が申し込んで、「現地調査したらフレッツ引き込めない物件だった」とか丁寧に教えてもらったこともあるので、この DB は外部に API 公開してほしい所です。
さらに言うと、ストリートビューで電線をズームして目を凝らすと、NTT のクロージャーが見つかったりします。これが見つけられれば、ほぼ間違いなくファイバーは来ていると判断できるはず。
※ 画像はこちらのサイトから拝借しています。とても参考にさせていただきました。
建造物が建てられない土地について
土地にこだわらず、中古の戸建てを物色していると、「再建築不可」と書かれた物件や、「市街化調整区域」という記載がある物件もチラホラみかけます。道路に面している幅が小さい (いわゆる旗竿地) だとか、都市計画で立てちゃダメ (申請して許可がもらえれば OK?) となっているため、比較的安い価格で売りに出ていることが多いです。こういう表記がある時点で、コンテナを運ぶための 4m 以上の幅がある道路が期待できないので、ほぼ却下になります。
ただし、コンテナ データセンターは一定の条件を満たせば、法的には「建築物」ではなく「貯蔵槽その他これらに類する施設」として取り扱われます。(超重要。テストに出ます。)
読めばわかりますが、「稼働時は無人で、機器の重大な障害発生時等を除いて内部に人が立ち入らないもの」かつ「複数積み重ねないもの」については、「建築基準法第2条第1号に規定する貯蔵槽その他これらに類する施設」ということで、建築物の扱いはされません。(念のため市役所にも確認取りましたが、条件さえ満たせば問題ないとのこと。)
この件いろいろ調べると、国内のベンダーさん達が国内でコンテナ データセンターを普及させるために法律が足かせになるからって、建築確認申請とかで時間とられず済むように要望だした結果のようで、実にありがたいことです。先人に感謝。
詳しい背景とかは、以下の資料がよくまとまってたので適当に目を通してください。この報告書が平成 22 年 3 月発行で、先の通達が平成 23 年 3 月なので、報告書の内容を受けて、法律を変えずに解釈だけ変えて対処した感じですかね。
といった感じで、だいぶ脱線しましたが、無人運用かつ積み重ねないコンテナ データセンターは建築物ではありません。 (一方で、いわゆるコンテナ ハウスは建築確認申請を取らないと違法建築物になるので気をつけましょう。あと、仮設で二年以内に撤去するのであれば、建築基準法 施行令 第 147 条の通り、緩和されると思います。)
今度こそ、Part 3. 用地買収編へ続く。(はず)
※ なお、あくまでも趣味の話であり、所属する組織とは一切関係ございませんのでご承知おきください。
2 comments for “そうだコンテナー データセンターを作ろう (Part 2. 用地選定編の補足)”