Windows 10 IoT Core 発表と、Windows for IoT の今後

先日の //build/ 2015 にて Windows 10 IoT Core が発表されましたね。

これまで出ていた Galileo 向けの Windows for IoT (と、私が呼んでいたもの) とあわせて、
IoT 向けの Windows 10 について現在の情報をまとめておきたいと思います。

1. IoT 向け Windows 10 のエディション

Windows 10 IoT Editions として、以下 3 エディションが用意される模様です。

  • Windows 10 IoT Core <= これが RasPi2 用
  • Windows 10 IoT for mobile devices
  • Windows 10 IoT for industry devices

IoT Core は公式のスライドにも書いてある通り、No shell で x86 / x64 / ARM で動作します。
(要は Explorer や従来のデスクトップ系のエクスペリエンスなしという事ですかね。)

スライド30

Windows 10 では Surface Hub のような巨大なタッチ液晶から、Raspberry Pi 2 のような小型の
ガジェットに至るまで、すべて共通のカーネル、共通のプラットフォームとストアに統合されます。

IoT デバイス、スマートフォン、タブレット、PC、Xbox One、HoloLens、Surface Hub 等々、
ありとあらゆるデバイス上で Windows 10 は動作します。結果として Universal Windows App の
重要性が今後一層高まることになるのですが、UWA については詳しい方のブログをご覧ください。

スライド4

2. 対応デバイス

現在までに対応が発表されたデバイスは、以下の通りです。

  • Rasberry Pi 2
  • Minnow Board Max
  • Galileo ※後述

そして、こっそり Arduino も名を連ねていますが、こちらは直接 Windows が乗るのではなく
Bluetooth や Arduino の Firmata などを使用してリモート操作が出来るという事の様。

  • Windows Remote Arduino
  • Windows Virtual Shield for Arduino

Windows Phone 等を Arduino の仮想シールドとして、操作用の UI は汎用の Windows 端末を使い、
ハードウェアは Arduino で楽々作れると言う訳ですね。

詳細は順次ブログにまとめて書きますのでお待ちを。

3. IoT が活躍する分野

「IoT (Microsoft 的には IoYT : Internet of Your Things) って、そもそも何に役立つんだ?」
という話は既に散々出たかと思いますが、セッション内ではこんなスライドが紹介されています。

ヘルスケアやホームセキュリティ、ネットに繋がる家電や、各種センシング系など、
既にあるものばかりですが、こうしてまとめると結構ありますね。

スライド6

個人的に、これを見て気になるのはやはり専用ハードウェアばかりという事。
まあ、昨今はハードウェア系のスタートアップ多いですからね。

とはいえ、ソフトもハードも専用設計で作っていてはコストがかかるものです。
前述の Arduino 向け Virtual Shiled はまだ未知数ですが、たとえばタッチ UI 系の
デバイスであれば Windows のタブレットでアプリを作って、ハードを Arduino で
作れるのであれば汎用品で安く作れそうな気がします。

Arudino なら個人 Maker でも気軽にいろいろ試せそうですし、プロトタイプを作るのも
だいぶ楽になりそうな嬉しい発表でした。(私が元々ハードウェア系の人間ではないので
Arudino に慣れているということもありますが。)

4. Windows for IoT の今後

“Windows Embedded Pre-Release Programs – Windows Developer Program for IoT” として
これまで提供されていた Galileo 用の Windows (私は Windows for IoT と呼んでいました)
ですが、公式の FAQs に衝撃の記載が!!!

Intel Galileo

Can I run Windows 10 IoT Core on the Intel Galileo Gen 1 or Gen 2 board?

We have no plans to bring Windows 10 to the Intel Galileo board at this time.

Will you continue to support the Windows Developer Program for IoT for Galileo?

We’ve been overwhelmed by the interest in our Windows 8.1 based program and appreciate all the incredible feedback the community has provided. While there will be no new feature development for the Galileo release we will continue to support this release for as long as significant community activity exists.

どうやら、Galileo 用の Windows 10 IoT Core は現時点では計画されていないそう。

そして、これまで提供されていた CUI Only な Windows Developper Program for IoT
について、“新機能の開発はない” ものの、今後も重要なコミュニティが存在する限り
出来る限りのサポートを続けるという事の様です。

少々残念ですが、世の中的には RasPi 2 が強いので自然な流れといったところ。
このブログで書いてきた既存の記事は、表記だけ修正して残そうと思います。

と言う訳で、ざっくりとメモがてらまとめでした。

スライドはbuild と WinHEC のイベントより、Channel 9 から拾っています。
動画と合わせて生のセッションを確認されたい方は以下をどうぞ。

Internet of Things Overview
http://channel9.msdn.com/Events/Build/2015/2-652

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